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日本語オノマトペ(擬音語・擬態語)は発音と意味の連結で、母語話者にとってはやさしい言葉だが、学習者にはその連結の感覚が十分に育たず、逆にその曖昧さで学習の一つ難点となる。特に母語にオノマトペ語彙が少なく、教育上も重視されていない中国人日本語学習者(以下、CJLとする)にとっては特に難しい。私の研究は異なるレベル(L2習熟度)のCJLが普段の生活中で各種類の未知オノマトペと遭遇する際、意味推測の実態を、生活場面を描写する音声付きマンガを利用して調査を行い、明らかにする。
キーワード:オノマトペ、意味推測、習熟度、日本語学習者、カテゴリー
文献リスト
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私の研究について
研究テーマ:(仮)中国人日本語学習者における未知オノマトペの意味推測に影響する要因―L2習熟度とカテゴリーに着目して―